なまはげ行事は毎年、大晦日の晩に男鹿半島の全域で行われる。
なまはげは災禍を祓い、吉事をもたらす来訪神として各家では丁重にもてなすそうです。
ただ大きな声で入ってくるのかと思ってましたら、きちんとした作法があり、
このなまはげ問答はユーモアに富、楽しい問答でした。

なまはげ問答
先立 ・お晩です。ナマハゲが来たす。
(「先立(さきだち)」という役目をする者が事前に家の主人にナマハゲを入れても良いか否かを確認する)
先立・主人 ・おめでとうございます
主人 ・寒びどご良く来てけだすな。
先立 ・山から来るに容易でねがったす。
なまはげ ・ウオー、(玄関で7回シコを踏む)泣ぐ子いねが。怠け者いねが。言うごど聞がね子どら(子供ら)いねが。
親の面倒見悪りい嫁いねが。 ウオー(家中探し回る)
主人 ・ナマハゲさん、まんず座って酒っこ飲んでくなんしぇ(下さい) (ナマハゲ、お膳に着く前に5回シコを踏んで座る)
主人・なまはげ ・おめでとうございます
主人 ・なんと、深け雪の中、容易でねがったすべ。 今年も来てけでえがったすな
ナマハゲ ・親父、今年の作なんとであった。
主人 ・お陰でいい作でああったすでば。
ナマハゲ ・んだか(そうか)。 まだいい作なるよう拝んでいぐからな。 子供ら皆まじめに勉強してるが。
主人 ・おらい(私の家)の子どもら、まじめで親の言うごどよく聞ぐいい子だがら。
ナマハゲ ・どらどら、本当だが。ナマハゲの帳面見てみるが。 何々テレビばり(ばかり)見で何も勉強さねし。 手伝いもさねて書いであるど。
親父、子供ら言うごと聞がねがったら、手っコ三つたたげ。 へば(そうすれば)いづでも山から降りで来るがらな。。
どれもううひとげり(一回)探してみるが。(ナマハゲ。お膳を離れる前に3回シコを踏む)
ウw−、ウオー。(又家中まわる)
主人 ・ナマハゲさん、まんず、この餅こで御免してくなんしぇ(下さい)
ナマハゲ ・親父。子どらのしづけがりっと(ちゃんと)して、え(家)の者皆まめ(健康)でれよ。
来年まだくるがらな。
方言でのユーモアあふれる問答でした。(パンフレットから)